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マイコプラズマ肺炎の検査には何がありますか?

マイコプラズマ・ニューモニエは小児〜30代の成人における呼吸器感染症の一般的な病原体で、年間に人口の5〜10%が罹患しています。季節を問わず流行し、乳幼児や高齢者にも感染がみられます。

マイコプラズマの分離培養には長い時間と特殊な培地が必要なため、診断には一般的に血清抗体検査が行われます。マイコプラズマ抗体にはPA法とCF法があり、ともにIgMとIgGを測定しますが、PA法は主にIgM、CF法はIgGを測定するため、急性期を捉えやすいPA法の方がよく検査されています。

PA法で単一血清では320倍以上、ペア血清では4倍以上の抗体価の上昇を認めたらマイコプラズマ感染症と診断できます。ただし、小児では320倍以上の抗体価の上昇が数ヵ月間認められる場合があり、単一血清での解釈には注意が必要です。

寒冷凝集反応は、血清中の冷式の赤血球自己抗体である寒冷凝集素を検出する検査です。本来は、寒冷凝集素による貧血(寒冷型自己免疫性溶血性貧血)の診断に用いますが、マイコプラズマ感染症を疑うときに検査されています。マイコプラズマ感染症に特異性はなく、陽性率は25〜50%です。伝染性単核球症、サイトメガロウイルス感染症などでも上昇します。

その他、簡易EIA法キットのIgM抗体検査があります(試薬販売)。

抗原系検査としては、LAMP法によるマイコプラズマ核酸同定検査があります。

2011年10月に保険収載されました。

 Link:マイコプラズマ抗体とLAMP法検査の違いは?

表.マイコプラズマ抗体PA法とCF法、寒冷凝集反応の特徴
  マイコプラズマ抗体(CF) マイコプラズマ抗体(PA) 寒冷凝集反応
検査方法 CF PA HA
基準値 4倍未満(−) 40倍未満(−) 32倍以下(−)
感度 低い
(乳幼児で抗体反応が弱い)
高感度 25〜50%
特異性 交差反応あり 93% 低い
検出抗体 IgM+IgG
(主にIgG)
IgM+IgG
(主にIgM)
IgM
抗体価の
上昇時期
・発症後 約2週間後に上昇
・ピーク 3〜4週目
・数ヶ月高値を持続
・発症後 1週目より上昇
・ピーク 2〜6週目
・以後、急速に低下
・発症後 1週目より上昇
・ピーク 2〜3週目
・以後、急速に低下
・4〜6週目で陰性化

〔参考〕 稲見由紀子、他:検査と技術 34(6)、2006
坂本芳雄:臨床検査ガイド2003〜2004、文光堂