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質問 B型肝炎のスクリーニング検査について教えてください。 |
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B型肝炎ウイルス(以下HBV)感染の有無は、通常HBs抗原でスクリーニング検査されます。しかし、感染初期のウインドウ期と呼ばれる期間が2ヶ月間存在するため、感染から2ヶ月以内に検査した場合には結果が陰性となってしまう偽陰性となる場合があります。 HBs抗原陰性でもHBs抗体陰性で、HBc抗体が高力価陽性(CLEIA法では100以上を高力価)の場合は、低ウイルス量の持続感染者(無症候性キャリア)や変異株の場合があり、ステロイド剤などによる免疫低下状態となると再燃のおそれがありますのでHBc抗体も同時に検査することが望ましいとされています。 また、HBs抗原における精密測定は高感度で特異性の高い検査方法になりますが、健常者でも約0.1%の割合で偽陽性があると報告されています。偽陽性となる要因としては他のウイルスや抗核抗体などが推測され、最近では、採血後における検体の転倒混和の有無が影響しているという報告もあります。採血後に全血検体の転倒混和を行わず、横に寝かした場合は高頻度(15〜20%)に偽陽性・偽高値となると言われていますので、採血後は転倒混和し、試験管立てに立てて保存を願いします。 表.B型肝炎ウイルスマーカー陽性の意義
〈参考〉 ・臨床検査データブック 医学書院 2024 ・最新臨床検査のABC 日本医師会 2007 ・石沢修二、他:岡田賢司:医学検査 53(5) 2004 ・最新検査・画像診断事典 医学通信社 2024 ・肝炎ウイルスマーカー・肝機能検査法の選択基準日本消化器病学会関連研究会 2009 ・免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン 厚労省 2009 ![]() |
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