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質問 E型肝炎の検査について教えてください。 |
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回答 E型肝炎は、E型肝炎ウイルス(HEV)の感染によって引き起こされる急性肝炎で、B型肝炎やC型肝炎のように慢性化することはないと考えられてきましたが、免疫抑制状態の患者では慢性化する可能性があります。また妊婦が感染すると劇症化しやすく、高齢者ほど重症化しやすいと報告されています。 感染経路は経口感染であり、HEVに汚染された食物、水等の摂取により感染します。ごく稀に感染初期にウイルス血症を起こしている人の血液を介して感染することもあり、免疫能が低下した患者では輸血によってE型肝炎を発症した例が報告されています。潜伏期間は15〜50日(平均6週間)で発熱、倦怠感、食欲低下、吐き気、腹痛などの消化器症状を示し、血液検査では肝酵素の上昇、肝機能低下による黄疸が出現します。通常、発症から1ヵ月を経て完治します。 HEVには4つの遺伝子型(G1〜G4)があり、G1、G2はヒトだけに感染し、途上国を中心に流行しています。G3、G4はヒトのみならず、ブタやイノシシ、シカ等の動物にも感染(人畜共通感染症)し、先進国で散発的に発生します。 HEVに感染後、IgA抗体、IgM抗体、次いでIgG抗体が検出されます。IgAおよびIgM抗体は、発症後3〜6ヵ月で陰性化し、IgG抗体は数年から数十年持続して検出されます。HEV-RNAは、発症前から糞便中、次いで血清中から検出されます。糞便中では発症後10〜29日まで、血清中では発症後7〜40日まで検出されます。 検査はHEV-IgA抗体を検出することによってE型肝炎の診断やA型肝炎等の他の急性肝炎との鑑別を行います。ただし、免疫抑制状態にある患者では抗体価が上がりにくいことから、陰性であってもHEV感染を疑う場合はさらにHEV-RNA検査を行います。
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