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質問 腫瘍マーカーCA125が癌以外で高値となるのはどんなときですか? |
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回答 CA125は婦人科領域で最も多用されている腫瘍マーカーで、卵巣がん全体では70〜80%の陽性率を示し、診断や治療効果判定、予後の推測、再発予測のモニタリングに有用であり、時に消化器がんのマーカーとしても用いられることがあります。 一方、CA125は腹膜、胸膜あるいは子宮・卵管内膜でも産生されるため、良性卵巣嚢腫や子宮内膜症、子宮筋腫、炎症、腸閉塞、膵炎、胆嚢炎などの良性疾患や炎症性疾患でも上昇します。中でも子宮内膜症では50%を超える高い偽陽性率を示すことから、子宮内膜症の補助診断や薬物療法の効果判定に応用されており、CA125検査は子宮内膜症でも保険収載されています。 また、CA125産生はエストロゲン(女性ホルモン)で亢進するため、性、加齢、性周期および妊娠などに影響を受けます。カットオフ値は健常女性の平均値±2SDに相当する35U/mLが一般的に用いられていますが、閉経後は10〜15U/mLが正常値とされ、閉経前の女性は同年齢の男性に比べて高値を示し、男女ともに加齢につれて減少傾向を認めます。月経時には60U/mLくらいまで上昇し、100U/mLを超える例もあります。妊娠初期に高値(200〜300U/mL)となりますが、妊娠経過とともに低下します。 よって、CA125高値の場合、性周期などを考慮し、再検査を行うとともに超音波検査などの精密検査を行います。逆に、初期がんでの偽陰性率が高いことなどに留意する必要があります。 消化器がんでも20〜30%の陽性率を示しますが比較的低い値の場合が多く、CA125値が高値である場合は腹膜播種を予測する上で重要といわれています。
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