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高感度PSA検査のお知らせ

 さて、弊社では皆様のご要望にお応えし、また医療の進歩に寄与すべく絶えず検査領域の拡大に努めておりますが、このたびPSA検査につきまして、小数第三位まで報告することにいたしました。
 これに伴い、検査内容を下記の通り変更させていただきますので、ご案内申し上げます。


■変更期日
 平成23年5月2日(月)受付分より
■変更内容
コード 検査項目 変更箇所
434 PSA
(前立腺特異抗原)
報告形式
基準値
報告下限
報告上限
小数第三位
4.000以下 ng/mL
0.003以下
50000以上
小数第二位
4.00以下 ng/mL
0.01未満
7500.00以上
674
PSA F/T比
T-PSA
F-PSA
     
報告形式
基準値
報告下限
報告上限
小数第三位
4.000以下 ng/mL
0.003以下
50000以上
小数第二位
4.00以下 ng/mL
0.01未満
7500.00以上
報告下限
報告上限
0.01以下
2500以上
0.01未満
9500.00以上
現在、弊社では超高感度な測定試薬を用いてPSA検査を行っております。
項目名称、検査方法、検体量および実施料などに変更はございません。

■高感度PSA
 前立腺特異抗原(PSA)は、前立腺組織に特異的な糖蛋白で、血液中のPSA値は前立腺癌、前立腺肥大症、前立腺炎、その他の前立腺疾患で上昇し、特に前立腺癌患者において著しい増加が認められることから、腫瘍マーカーとして前立腺癌の診断および治療効果の判定に使用されています。

 最近では測定限界が0.01ng/mL以下の超高感度測定もできるようになり、根治的前立腺摘出手術を行った後にこの測定方法で早期の再発を見つけることが可能になりました。

 ところで、再発には治療により低下していたPSA値が再び上昇するPSA再発と、リンパ節または他臓器に転移や新病変がみられる臨床的再発があります。PSAは感度が高く、画像診断で再発部位を特定できない時期から上昇してくることから、PSA値の推移によって再発を確認します。

 前立腺全摘除術により根治していると術後3週間以内にPSAは検出限界以下になるといわれています。術後初めて0.2ng/mLを超えた場合、PSA再発とみなされます。また最近では超高感度測定法で測定される場合が多いため、PSAの持続的上昇をもってPSA再発とするのが望ましいともいわれています。

 さらに、術後再発をきたした場合、PSA値やその推移によって追加治療の時期やその方法を選択する診断材料となります。
■再発の基準
 再発を確認する検査としては現在PSA値の推移をみることが一般的です。

 前立腺全摘除術後では、PSA値が0.2ng/mLを超える場合、あるいは持続的な上昇を認める場合に再発(PSA再発)が疑われます。