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果物の保存方法について
 果物のおいしい季節がやってきました。せっかくの果物をおいしい状態のままで保存するにはどうすればよいのでしょうか?

 まず、果物をしなびさせないために、ポリエチレンの袋で包装することが有効です。保存する湿度を高くすると果物から水分が蒸発しにくくなるためしなびは防げます。ただし、果物は収穫後も生きていて呼吸をしているので、果物を入れたポリエチレン袋を密閉してしまうと袋内の炭酸ガス濃度が上昇し酸素濃度が低下してしまい、正常な呼吸ができません。ミカンなどは呼吸が正常にできなくなると異臭が発生したりします。そのため、ポリエチレン袋で密閉するのではなく、ポリエチレン袋で果物を包むようにしましょう。ポリエチレンで包むことにより袋内の湿度が上昇し、カビや細菌が繁殖して腐敗しやすくなることがありますので、低温保存できる冷蔵庫での保存がおすすめです。

 しかし、低温保存はどの果物にも有効ではありません。果物の種類によっては、一定の温度以下で保存すると低温障害が発生して貯蔵性や品質がかえって低下する場合もあります。低温障害の症状は果物の種類によって異なります。例えば、グレープフルーツでは果皮の表面に小さな窪みが発生する症状(窪んだ部分が褐色もしくは黒色に変色)などがあります。

 低温障害は熱帯や亜熱帯原産の果物で多く発生するといわれています。例えばバナナは南国の果物なので、冷蔵庫よりも常温で保存した方が長持ちします。

 また、果実表面に傷がつくと傷みやすくなりますので、丁寧に取り扱うことも大切です。



こらぼ2009年秋号より抜粋