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水の異臭原因(金気臭)について
私たちが生活していく上で、美味しい飲料水が供給されることはとても重要です。飲料水が美味しくあるためには色々な要件がありますが、その中の1つに「無臭であること」が求められます。異臭がする水は美味しく飲めませんし、人体に害がある物質が含まれている可能性もあります。

 ではなぜ、飲料水から臭いがするようになるのでしょうか。原因については色々ありますが、今回はその中から金気(カナケ)臭の原因について触れてみたいと思います。

 金気臭は鉄やマンガンを多く含む水に発生し、古くから「カナケ」や「シブ」を含む水として嫌われてきました。鉄やマンガンは地質に多く含まれ、それに由来して地下水に含まれることもありますが、水道水の鉄の多くは水道管の腐食によるものであり、マンガンは水道管に堆積したマンガンが剥離して流出してくることが主な原因として挙げられます。

 鉄、マンガンとも0.5〜1.0mg/L以上で金気臭が生じると言われています。また、鉄分の多い水でお茶を沸かすと消毒液のようなにおいがすることがあります。ちなみに鉄が含まれていると赤っぽく、マンガンが含まれていると塩素と反応して黒っぽく水が変色する傾向にあるので、鉄やマンガンが含まれているかどうかは色によってある程度わかることがあります。鉄やマンガンは水道管からの剥離によって徐々に堆積していきますから、水道を長く使用していない時などは使い始めに鉄やマンガンが多い水が出ることがあります。このような場合は水道を流し続けることによって除去が可能です。また、水道水が長く滞留していたわけですから、水道管に由来するにおいや味がついてしまうこともありますので、流し始めの水は飲用としては使用しない方が無難です。このような水は掃除等の雑用水として使用すると良いでしょう。



こらぼ2010年春号より抜粋