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温泉事業者へのメタンガス測定義務が法制化

 温泉を汲み上げる際に、温泉水中に気泡が多く含まれる場合があります。これは温泉付随ガスと呼ばれるもので、多くはメタン(CH4)、二酸化炭素(CO2)、窒素(N2)、水蒸気(H2O)であり、その他、微量に含まれるものとしては、硫化水素(H2S)などがあります。温泉付随ガスに含まれるメタン濃度が空気中で5〜15%になると、火源に触れた際、急激に燃え広がったり、爆発したりします。この例として、平成19年6月19日に起こった東京都渋谷区の温泉施設での爆発事故があります。

 環境省では、温泉法を改正し、温泉の掘削時や採取時における可燃性天然ガスなどに対する安全対策を義務づけました。改正温泉法は平成19年に成立し、平成20年10月1日から施行されています。しかし、温泉水の汲み上げに伴って、全ての温泉施設においてメタンを含む温泉付随ガスを湧出するわけではありません。そこで改正温泉法では、温泉施設における安全対策が必要か否かを判断するために、温泉付随ガスのメタン濃度を測定することとし、一定の基準値以下であれば安全対策が不要な旨の都道府県知事の確認を受けられ、この規定に限り、平成20年8月1日より施行されました。

 一度メタン濃度が基準値以下であることが確認された場合でも、10年ごとの温泉成分分析検査時に再確認が求められたり、大地震の発生や温泉井戸の浚渫時などに、再確認を求められる場合があるため、都道府県の指示に従うことが必要となります。

 当社でも温泉付随ガスであるメタンガス濃度測定を受託しておりますので、お気軽にお問合せ下さい。



こらぼ2008年秋号より抜粋