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赤潮

 春から夏の時期に海岸が赤く染まる現象を目にすることがあります。これは「赤潮」と呼ばれる現象で、植物プランクトンが大量に増殖することによって発生します。

 赤潮の発生は、植物プランクトンが増殖するのに必要な栄養物質(リンや窒素等)が水中に多くなり過ぎること(富栄養化)、また、地球温暖化に伴う水温上昇が、植物プランクトンの増殖を促進していることが原因だと言われています。これらの栄養物質は、家庭から出る生活排水や農地で使われる化学肥料などにも含まれています。

 生活排水で汚れてしまった水が、魚が棲める程度のきれいな水に戻るまでには、多くの水が必要です。

 例えば、味噌汁お碗1杯では、浴槽4杯分、飲み残しのビール(100mL)だと浴槽5杯分の水が必要だと言われています。このように生活排水が河川や海域に与える影響は非常に大きいのです。

 赤潮が発生すると、海の生物に悪影響を与え、漁業にも大きな被害をもたらします。

 赤潮を予防・防止するには、海水域の富栄養化を引き起こさないために生活排水や工場廃水をできるだけ出さないようにすることが必要です。

 例えば、台所の三角コーナーに布巾やストッキングなどを利用して、少しでもろ過したり、米のとぎ汁は排水溝に流さず、植木にあげたりすることなどです。

 また、水温上昇を防ぐため、地球温暖化防止対策をもしなければなりません。私達1人の力ではどうにもならないことかもしれません。しかし、何もしなければ悪化していくばかりです。自分達でできることに1つでも多く取り組んでいくことが、地球温暖化防止につながるのではないでしょうか。



こらぼ2008年春号より抜粋