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蒸発残留物
 蒸発残留物とは、水の中に浮遊したり溶解したりして含まれているもので、蒸発乾固したときに残渣として得られたものをいいます。総量はmg/Lで表します。

 水道水の蒸発残留物の主な成分はミネラルで、カルシウム、マグネシウム、シリカ、ナトリウム、カリウムなどの塩類や有機物です。ミネラルは味を左右するため、ほどよく含まれると水の味がまろやかになりますが、蒸発残留物が極端に多すぎると渋味や苦味が増し、水の味が悪くなります。

 この観点から水道水の水質基準では、500mg/L以下という基準が定められていますが、一般に水道水では200mg/L以下で、多くても300mg/Lを超えることはほとんどありません。また、蒸発残留物の中でも溶解性のものは、基準値を超えた場合でも健康への影響はほとんど問題ありません。

 ミネラルを適度に含む水にはまろやかさがあるため、厚生労働省では昭和60年に「おいしい水研究会」を設置し、おいしい水の水質条件は蒸発残留物について30〜200mg/Lが目標値とされています。

 水道局によっては、ホームページで水道水のデータを閲覧できるところもありますので、参考にされてみてはいかがでしょうか。


こらぼ2007年夏号より抜粋