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硝酸態及び亜硝酸態窒素
 硝酸態窒素(NO3-N)及び亜硝酸態窒素(NO2-N)は、飲料水の安全を確かめる上で必要な項目であり、水道法では水1リットル中に10ミリグラム以下(10mg/L以下)という基準値が設けられています。

 亜硝酸態窒素は体内に入ると酸素を運ぶヘモグロビンと結合して、メトヘモグロビンになります。このメトヘモグロビンには酸素を運ぶ力がありません。そのため、体内に酸素が不足し、細胞が窒息して、メトヘモグロビン血症を起こすといわれています。

 硝酸態窒素と亜硝酸態窒素を合わせたものに基準値が設定されていますが、これは、硝酸態窒素が体内に取り込まれると体内の還元菌によって亜硝酸態窒素になってしまうことを懸念しているためです。

 この亜硝酸態窒素による影響は抵抗力の弱い乳幼児に対して最も懸念されています。

 粉ミルクに使用する水に硝酸態または亜硝酸態窒素が多量に含まれている場合、乳幼児は胃酸の分泌が少ないので、胃の中で硝酸態窒素が亜硝酸態窒素に変化します。そのため、メトロヘモグロビンが多くなり、体内に酸素を運ばなくなり、チアノーゼ(青色症:血液中の酸素が欠乏して、皮膚や粘膜が青紫色になる)を起こします。これがブルーベビー症といわれるもので、重大な健康被害などの例も報告されています。


こらぼ2006年秋号より抜粋