薬物動態解析

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 薬物療法において、薬理効果には個人差が認められており、そのため患者個々に薬物投与の適正化・個別化が必要とされています。薬物血中濃度測定は薬物治療の適正化・個別化という点で有用な検査として浸透しています。
 当社では血中濃度測定に加え、1点の血中濃度測定値と患者情報をもとに個々の薬物体内動態を予測し、依頼目的に合わせた血中濃度シミュレーションカーブとコメントをつける薬物動態解析サービスを行っています。

有効活用の場

●治療効果を確認する場合

●中毒・副作用が疑われる場合

●服薬指示の違反(ノンコンプライアンス)が疑われる場合

●体内動態の変化が予測される場合

解析申込書


 TDMを行う場合、患者情報を入手することは、より正確な解析を行うため非常に重要なことであり、その際には上記のような患者情報を必要とします。


解析報告書見本

解析実施項目

ジゴキシン (強心剤)
テオフィリン (気管支拡張剤)
ハロペリドール (向精神薬)
リチウム (向精神薬)
コハク酸シベンゾリン (抗不整脈剤)
フェニトイン (抗てんかん剤)
バルプロ酸ナトリウム (抗てんかん剤)
フェノバルビタール (抗てんかん剤)
カルバマゼピン (抗てんかん剤)
バンコマイシン (抗生剤)


採血時間
 薬物は本来体内にはなく、外部から治療目的で投与されるものであり、また固有の半減期を持つことから、薬物血中濃度を測定する際の採血時間の選択は非常に重要なものとなります。
 ジゴキシンを例としますが、服薬後5〜6時間はα相(分布相)と呼ばれており、この段階では作用部位での組織中濃度と血中濃度はまだ平衡に達しておらず、その後のβ相(消失相)で両者の濃度は平衡に達します。この時、血中濃度が組織中濃度を反映するため、臨床的な意味が出てきます。ジゴキシンの採血については服薬後6時間以上経過してから、なお、最適な採血時間はジゴキシンに限らず、他の薬物でも原則的に最低血中濃度を示す時間、つまり、次の服薬の直前といわれています。
ジゴキシン血中濃度の変化

定常状態
 血中濃度は投与開始後ある程度服薬を繰り返すと、一定の幅の中に安定し、その幅の中で変動するようになります。
 このような状態を定常状態(Steady-State)といい、薬物の流入と体内からの消失が平衡に達した状態を指します。投与開始後の採血時期として、定常状態に達していることが重要とされています。定常状態に達する時間は薬物によって異なり、多少の個人差はありますが、半減期のほぼ4〜5倍の時間を要するといわれています。
経口繰り返し投与による
血中濃度のシミュレーション

非線形薬物の投与量と濃度の関係
 薬物は投与量の増減に伴い比例的に血中濃度や効果も増減しますが(線形薬物)、フェニトインやサリチル酸など一部の薬物ではこの比例関係が成立しないことが知られています(非線形薬物)。この場合、投与量の設定等において血中濃度が重要な指標となります。 非線形薬物の投与量と濃度の関係