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CRPと白血球数が乖離するのはどんな時ですか?

CRPは感染症や悪性腫瘍、自己免疫疾患、心筋梗塞などの炎症または組織壊死がある病態で血液中に増加する蛋白質(急性期蛋白)で、急性炎症の指標として最も広く使用されています。

CRPと同じく炎症の有無を調べる検査として白血球数や赤血球沈降速度(赤沈)が利用されています。これらは多くの病態では同じような変動をしますが、炎症の発症時から異常値になるまでの時間と消失の時間が異なるため乖離することが多くみられます。

白血球は外傷や細菌感染などの侵襲が加わるとこれを認識し、すばやく攻撃しようとします。その結果、発赤・腫脹・疼痛・熱感といった炎症が起こります。次に、炎症時に異物や壊死物質を貪食した単球やマクロファージから IL-6やTNFαなどのサイトカインが分泌され、肝細胞に作用してCRPやフィブリノーゲン、αアンチトリプシンなどの急性期蛋白の産生を促進します。

よって、白血球数の上昇は数時間以内に起こり、CRPの増加は6〜12時間後から始まり、さらに赤沈亢進には24〜36時間を要します。CRPは炎症以外で上昇することはなく、炎症の程度を反映しますが、血中濃度の上昇が明確になるのに半日を要するため、この間は白血球数が参考になります。

ところで、白血球数は激しい運動や精神的興奮、痙攣、生理、喫煙、中毒性疾患などで上昇し、炎症に特異的ではありません。また、ウイルス感染症や小児の感染症ではCRP正常であったり、高齢者の感染症では白血球数が正常であることも多く、感染症の早期診断時や炎症性疾患の活動性を把握する際には白血球数とCRPを組合せて測定します。一方、赤沈は貧血、妊娠時、アルブミン減少、γグロブリンやフィブリノーゲン増加などで亢進するため、炎症を大まかに理解することに有用で、結核や膠原病などの慢性炎症性疾患の活動性や治癒判定に使用されています。



図.炎症マーカーの経時変動

〔参考〕
山田俊幸:医学検査 45(5)、1996
臨床検査データブック 2007-2008