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HBc抗体を測定する意義と結果の解釈について教えてください。

HBc抗体は、B型肝炎ウイルス(HBV)由来の蛋白HBc抗原に対して身体が免疫反応を示して作られた物質です。

IgM-HBc抗体はHBV感染初期に3〜12ヵ月間、一過性に高力価で出現するため、B型急性肝炎の診断に有用です。HBVキャリアの急性増悪でも低力価で陽性化することがありますが、抗体価で鑑別できます。

一方、HBc抗体・総はHBc抗原に対する抗体の総称で、感染の比較的早期から血中に出現し、ほぼ生涯にわたって持続します。HBV感染者を既往感染も含めて最も広く検出する検査です。一般的には低力価の場合は既往感染あるいは一過性感染、高力価の場合は持続感染と解釈されています。従来のRIA法では200倍希釈で陽性のとき高力価といわれていましたが、CLIA法では10.0以上を高力価とされています。

ところで、HBs抗原陰性でHBc抗体陽性の場合は、HBs抗体の有無にかかわらずHBV既往感染であることを示し、体内にHBVが潜伏感染していることが最近の研究で明らかになりました。健常者では臨床上全く問題は生じませんが、何らかの要因により免疫能が低下するとHBVが再増殖し、B型肝炎が再燃することがあるので注意が喚起されています。したがって、免疫抑制剤や抗がん剤などの使用に際しては
HBs抗原、HBs抗体とともにHBc抗体を測定することが推奨されています。


表.B型肝炎ウイルスマーカー陽性の意義
HBs抗原 HBVに感染している (通常HBc抗体も陽性)
HBs抗体 HBVの既往感染 (多くはHBc抗体も陽性)
HBVワクチン接種後 (HBc抗体陰性)
HBe抗原 HBVの増殖力が強い
HBe抗体 HBVの増殖力が弱い
HBV-DNA定量 血中のHBV量を示す (抗ウイルス効果の指標)
IgM-HBc抗体 高力価
低力価
B型急性肝炎
B型慢性肝炎の急性増悪、キャリア発症の急性肝炎
HBc抗体・総 高力価
低力価
HBVに感染している、HBVキャリア (HBs抗原陽性)
HBVの感染既往 (多くはHBs抗体も陽性)


〔参考〕
肝炎ウイルスマーカー・肝機能検査法の選択基準
                      日本消化器病学会関連研究会、2008
免疫抑制・化学療法により発症するB型肝炎対策ガイドライン、厚労省、2009