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ペプシノゲン検査の意義と結果の解釈について教えてください。

ペプシノゲン(PG)は胃粘膜の分泌腺から胃の中に分泌された後、胃酸によってペプシンとなり蛋白分解酵素として働きます。その約1%が血中に認められるため、測定が可能です。

PGは免疫学的にPG I とPG II に大別されます。PG I は主に胃酸を分泌する胃底腺粘膜から分泌され、PG II は胃粘膜全域と十二指腸腺の広範囲から分泌されます。胃の粘膜に炎症が生じるとPG I 、PG II ともに増加し、 I/II 比は低下します。萎縮になるとPG I は低下し、PG II は相対的に増加し、 I/II 比はいっそう低下します。したがって、PG I 、PG II 、 I/II 比のそれぞれの値をみることで胃粘膜の状態が推定できます。特に、PG Iは胃酸分泌能と相関し、PG I/II 比は胃粘膜萎縮の広がりとその程度を反映することから、ペプシノゲン法ではPG I とPG I/II 比を指標として、陰性、陽性(1+)〜(3+)の4段階で胃粘膜の萎縮度を判定します。慢性胃炎患者では胃の萎縮が進むほど胃癌が発生しやすいことから、胃癌のスクリーニング検査として有用であることが明らかとなり、注目されています。

PG値が高値(陰性)の場合は、胃粘膜内での産生増加あるいは腎からの排泄減少であり、胃炎、胃・十二指腸潰瘍、H.ピロリ菌感染、腎不全、プロトンポンプ阻害剤(PPI)などの胃酸分泌抑制剤内服時などが考えられます。逆に、低値(陽性)の場合は、胃粘膜内での産生減少か、胃粘膜量そのものの減少であり、萎縮性胃炎、胃癌、切除胃、悪性貧血などが考えられます。

ところで、PG検査は食事の影響が少ないため、絶食でなくとも午後でも可能ですが、食後PG値が増加し、陰性となりやすいため、空腹時に採血します。また、PPI服用中止後、前値に戻るまで1〜2ヵ月を要します。



表.主な疾患における血清PG I 、PG II 異常値のパターン
十二指腸潰瘍 胃潰瘍 萎縮性胃炎 胃癌・胃切除後
悪性貧血
腎不全
PPI 服用
PG I ↑↑
PG II ↑↑ ↑〜↓
I/II 比 ↓↓ ↓↓


〔参考〕
ペプシノゲン法ハンドブック、2001 メジカルビュー社
日本医師会編 最新臨床検査のABC、2008