CRCグループTOP > シー・アール・シー > よくある検査のご質問 >
HBs抗原の偽陽性はどのくらいありますか?

B型肝炎ウイルス(HBV)に感染すると、血液中にはウイルス遺伝子DNAの他に、ウイルス由来の蛋白質である抗原や抗原を中和、防御するために免疫系によって作られた抗体(免疫グロブリン)が増加し、HBV感染の指標となります。

HBs抗原はHBV粒子の表面を覆う蛋白質ですが、小型球形粒子や管状粒子として単独にも存在しています。HBs抗原が陽性であるということは現在HBVに感染していることを示します。

HBs抗原スクリーニング検査は、従来から凝集法やイムノクロマト法などが使用されています。これらの検査方法ではウイルスの変異株を検出できなかったり、検出感度が劣るなどの問題があり、陽性の見落とし(偽陰性)が 5〜10%あると報告されています。

一方、CLIA法などの精密測定は高感度で特異性の高い検査方法ですが非特異的反応による偽陽性の頻度は健常者でも約 0.1%あると報告されています。偽陽性となる要因として他のウイルスや抗核抗体などが推測されています。

また、非特異的反応による偽陽性では、低値域の陽性を示す場合が多くみられます。しかし、全ての低値域の陽性検体が偽陽性とは限らず、初期感染や低濃度キャリアを見つけ出すことが可能となりました。

ところで最近、偽陽性の原因として、採血後における検体の転倒混和の有無が影響しているとの報告があります。採血後に全血検体の転倒混和を行わず、横に寝かした場合、高頻度(15〜20%)に偽陽性・偽高値となるといわれています。

よって、低値域陽性の場合は、念のため、再採血を行い、再検査されることをお勧めしています。採血の際は採血後転倒混和していただき、試験管立てに立てて保存していただくようお願いします。

〔参考〕
最新臨床検査のABC 日本医師会 2007
石沢修二、他:岡田 賢司:医学検査 53(5)、2004