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クロストリジウム・ディフィシルの細菌検査と抗原検査の違いは?

クロストリジウム・ディフィシル C.difficile は抗生物質の投与に続発する下痢症や大腸炎、偽膜性大腸炎の主要な原因菌として知られています。

この菌は抗生物質が効かないため、抗生物質の投与によって他の菌が死滅するとこの菌だけが生き残り異常増殖(菌交代現象)し、毒素を産生するようになります。

毒素の作用によって腸管粘膜に障害を起こし、軽症では軟便、重症では激しい下痢、腹痛、高熱を伴います。

健康な成人の5〜10%や小児の半数が無症候性保菌者といわれ、高齢者や長期入院患者、抗癌剤投与中の患者などでの院内感染の原因菌として大きな問題となっています。

C.difficile の検査法には、細菌培養検査と抗原検査があります。

C.difficile は空気にきわめて弱い偏性嫌気性菌のため、検体の採取、分離、培養には相当の注意が必要です。培養検査では必ず嫌気ポーターに採取し輸送してください。

一方、抗原検査は菌が産生する特異的な毒素であるトキシンAまたはBを直接糞便中より検出するもので、培養検査より感度は劣りますが簡便で比較的短時間に結果を得ることができます。

ところで、C.difficile にはトキシンA、Bの両毒素産生株とBのみ産生する株、どちらも産生しない株が存在します。

よって、抗原検査にはトキシンA、Bを検出するキットを使用することが望ましく、細菌培養検査+抗原検査を併せて行うことが推奨されています。

  抗原検査(トキシンA/トキシンB)
(−) (+)
培養同定
検査
(−) C.difficile 陰性 検体採取後の保存条件や検体
量不足による培養できなかった(死菌)
(+) 抗原検査の偽陰性(感度の違い)
毒素非産生株(A
毒素産生株(A、A


〔参考〕
 山根誠久、他:臨床と微生物 20(6)、1993
 豊川真弘、他:感染症学雑誌 81(1)、2007