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ノロウイルス検査法の違いと使い分けを教えてください。

 ノロウイルスはロタウイルスとともに冬季を中心に流行する感染性胃腸炎の主な原因ウイルスであり、集団発生の原因ウイルスとして重要です。

ノロウイルスによる胃腸炎は感染後1〜2日の潜伏期間ののち発症し、通常2、3日で回復しますが、症状が消失した後も小児では3週間以上、成人でも2〜3週間にわたり糞便中にウイルスが排出されていることがわかっています。

また、感染しても無症状のまま推移する人もいますが、ノロウイルスを摂取してから15時間後には発症前でも感染した人の糞便中にウイルスが排出され始め、摂取してから1〜3日後には糞便中のノロウイルスの排出はピークに達します。

ノロウイルスは培養が困難であるため、従来は電子顕微鏡下で糞便中のウイルス粒子を直接検出していました。現在ではRT-PCR法、リアルタイムPCR法などのウイルス遺伝子検査やEIA法やイムノクロマト法のウイルス抗原検査が用いられています。

遺伝子検査は高感度で特異性が高く、糞便、嘔吐物、食品中のノロウイルス検出に用いられます。一方、抗原検査は遺伝子検査に比べて約70%の感度ですが、偽陽性が少なく、体外診断薬としてノロウイルスによる感染性胃腸炎の診断の補助に用いられます。

症状のある患者の便ではかなりのウイルス量があり、抗原検査でも検出可能ですが、回復期の患者や無症状感染者ではウイルス量が少ないため検出できない可能性があり、確実に寛解を確認するには高感度なリアルタイムPCR法での検査をお勧めします。

ノロウイルスは感染力が強く、少量のウイルス量(10〜100個)でも感染するといわれています。二次感染による集団感染を防ぐために、医療従事者や食品取扱者などは十分な注意が必要です。



図.ウイルス量と検査方法

〔参考〕
三好龍也、他:食品衛生研究 56(11)、2006
横浜市感染症情報センター