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血中アンモニア高値となる原因は?
アンモニアは消化管で食物由来のアミノ酸が腸内細菌により、あるいは尿素が細菌や腸管粘膜によって分解されて生成されます。肝機能が正常であれば、肝臓で代謝・解毒され尿となって排泄されます。重症肝疾患では腸管におけるアンモニアの産生が増加し、肝臓の解毒機能が低下するため血中アンモニア濃度が増加します。また、肝硬変や特発性門脈圧亢進では門脈と大循環系が短絡して腸管由来のアンモニアが大循環へ流入するため、高値を示します。

その他、尿毒症、腎障害、細菌感染症、消化管出血、バルプロ酸ナトリウム服用、便秘などでも高値となることがあります。

ところで、血中アンモニアは食事(食後1〜4時間で約2倍)や運動によって増加するため、採血は安静空腹時に行います。

さらに、採血後は赤血球からのアンモニアの遊離、蛋白やアミノ酸からのアンモニアの生成により濃度が上昇するため、溶血や全血放置した場合は著増します(図1)。

アンモニア専用容器に含まれる除蛋白液にはアンモニア発生の原因となる酵素を失活する成分が入っていますが、採血してから除蛋白液と混合するまでの時間が長いほど、温度が高いほど測定値が上昇し、除蛋白液を添加した検体でも室温で放置した場合は1時間で約70%上昇します(図2)。

よって、採血後は速やかに除蛋白液と混合した後、遠心して上清を分離します。すぐに遠心分離できない場合は、冷蔵庫あるいは氷水で保存してください。この場合4℃以下まで急速に冷却しなければならないので、必ず氷に水を加えて「氷水」で冷やします。


〔参考〕
土井三千子、他:臨床病理 特集第103号、1996
真治 紀之、他:検査と技術 34(6)、2006
伏見 了:検査と技術 20(11)、1992