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血清ヘリコバクター・ピロリ抗体の除菌判定の基準について教えてください。
ヘリコバクター・ピロリ(Hp)感染経路についてはまだ十分解明されていませんが、小児期に感染し、積極的な除菌を行わなければそのほとんどが持続感染するといわれています。

胃内にHpが感染すると血中にはIgM型、IgG型およびIgA型のHp抗体が出現します。抗体検査では臨床診断に最も重要なIgG型を測定しています。

抗体検査は胃酸分泌抑制薬や抗菌薬服用中でも判定でき、簡便で低コストのため除菌前の感染診断ではスクリーニングとして汎用されています。

ただし、IgG抗体のため感染後約1ヵ月は抗体産生されないことや免疫能の十分発達していない小児やステロイド剤投与患者、高齢者などの免疫の低下した患者では偽陰性となる場合があります。

一方、除菌後も抗体はすぐに消失せず偽陽性を示すことがあり、陰性化するには1年以上かかる場合があります。

除菌が失敗した場合は抗体価の明らかな減少はみられませんが、成功例では除菌療法終了後抗体価は徐々に低下し、半年後には前値と比較して50%低下すると報告されています。

このため、抗体検査による除菌の判定は、6ヵ月以降に行い、変動率50%の低下が1つの指標とされています。

ところで、血清および血漿の他に全血や尿、唾液などを検体とした抗体検査もありますが、除菌判定では除菌前後に同じ定量性のある抗体検査を行った場合に限られます。

〔参考〕高橋信一、他:感染症学雑誌 80(3)、2006