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検尿検体の保存条件は?
尿にはさまざまな無機成分、有機成分が含まれており、細菌の発育には良好な培地となります。

したがって、尿を室温に放置しておけば細菌が増殖し、尿中の尿素を分解、アンモニアが産生されます。

pHはアルカリ化し、ブドウ糖は細菌の消費によって減少します。潜血反応ではヘモグロビンのペルオキシダーゼ様活性が低下し、陰性化します。ウロビリノーゲン、ビリルビンはそれぞれウロビリン体、ビリベルジンに酸化されて減少します。ケトン体ではアセトンとアセト酢酸が分解された後、揮発・減少します。白血球反応ではエステラーゼが変性・失活するため陰性化します。

また、尿沈渣については室温放置後3時間を過ぎると赤血球、白血球は著減し、円柱は崩壊、細菌は増加します。一方、冷蔵では細菌の増殖は阻止されますが、尿酸塩などの塩類が析出することがあります。

このように、検体の保存状態により多くの測定結果に影響を及ぼすため、試験紙法による尿一般検査や尿沈渣は採尿後2〜3時間以内の新鮮尿での検査が原則です。

しかし、採尿後直ちに検査できない場合は、冷暗所(4℃)で保存し、尿一般定性は半日、沈渣は6時間以内に実施します。

.尿放置による変化 図.室温保存による尿沈渣成分の変化
検査項目 変化
pH(細菌−) ほぼ一定
pH(細菌+) アルカリ性化
蛋白 ほぼ一定
ブドウ糖(細菌−) ほぼ一定
ブドウ糖(細菌+) 陰性化
潜血反応 陰性化
ケトン体 陰性化
ビリルビン 陰性化
ウロビリノーゲン 陰性化
亜硝酸塩 陰性化
白血球反応 陰性化
比重 ほぼ一定

〔参考〕検体検査のサンプリング 臨床病理 特103、1996