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随時尿の基準値がないのはなぜ?
一般に、尿中成分濃度は食事や水分摂取、発汗などの影響を受け、そのときの尿量によって大きく変動します。すなわち尿の濃さによって成分濃度が大きく異なるため、随時尿の基準値はありません。つまり、随時尿では尿の濃縮や希釈に大きく左右されるため、濃度だけで判断するのは非常に危険で、誤った診断につながります。

尿検査の場合は、1日の蓄尿によって尿中排泄量を評価しなければなりません。

しかし、外来診療では蓄尿ができないことも多く、正確にすべての尿を蓄尿することは困難です。そこで、このような尿の濃度を補正する手段として、同時に測定したクレアチニン値で割った比を求めるクレアチニン補正が行われています。

尿中に排泄されるクレアチニンは生理的変動因子の影響を受けず、1日の排泄量は筋肉量に比例します。成人の1日のクレアチニン排泄量はほぼ1gであることから、尿クレアチニン1gあたりの濃度を求めれば1日の排泄量を推定することができます。すなわち、クレアチニン補正した濃度は蓄尿とほぼ等しい濃度となります。

ただし、尿中クレアチニン1日量には性差があり、一定ではありません。また、クレアチニンは摂取量、産生量、尿細管における排泄、再吸収などにより生体内動態は一定ではありませんが、1日排泄量と随時尿のクレアチニン補正値が相関しているという報告が多く出されている事から、蛋白定量、アルブミン定量など多くの項目で蓄尿の代わりに随時尿のクレアチニン補正値が用いられています。