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甲状腺機能検査は、どの項目を調べれば良いでしょうか?

甲状腺機能を最も鋭敏に示すのは甲状腺刺激ホルモン(TSH)です。また、真のホルモンレベルを示すのが遊離サイロキシン(FT4)ですので、スクリーニングではTSHとFT4の2項目を検査します。

次に、甲状腺の病気で高頻度にみられるのはバセドウ病と橋本病ですが、両者ともに自己免疫性疾患のため自己抗体の有無を調べます。

TSH低値かつFT4高値の機能亢進症では、バセドウ病と無痛性甲状腺炎や亜急性甲状腺炎とを鑑別するため、抗TSHレセプター抗体検査をします。特にバセドウ病と無痛性甲状腺炎の治療法は全く異なるため、両者の鑑別診断は重要です。通常、FT4測定で十分ですが、放射性ヨード甲状腺摂取率の測定ができない場合、FT3と
FT4の比は無痛性甲状腺炎の除外診断の参考となるため、FT3を同時に測定します。

TSH高値かつFT4低値の機能低下症では、橋本病と甲状腺機能低下症とを鑑別するため、抗サイログロブリン抗体または抗TPO抗体検査をします。橋本病患者の
多くは甲状腺機能が正常のため、異常が認められなくても橋本病の疑いがある場合にはこれらの抗体検査をします。


表.TSHとFT4による甲状腺機能分類
  TSH
低値 正常 高値
FT4 低値 機能低下
バセドウ病治療中
機能低下(急性)
NTI
機能低下(顕性)
正常 機能亢進(潜在的) 機能正常 機能低下(潜在的)
高値 機能亢進 SITSH SITSH
 
SITSH: TSH不適合分泌症候群(TSH産生腫瘍、甲状腺ホルモン不応症)
NTI: 甲状腺自体に異常ないが、腎不全・肝不全・悪性腫瘍末期などの重症疾患などでは 甲状腺ホルモン代謝異常や下垂体機能異常が起こる

〔参考〕 甲状腺診療の手引き、2006