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ANPとBNPの使い分けを教えてください。また新しい検査NT-proBNPとの違いは?

ANPとBNPはそれぞれ心房性優位、心室性優位に分泌されるという違いはありますが、ともに心臓から分泌されるホルモンで、水分を体外に出したり(利尿作用)、血管を拡張して血圧を下げたり(降圧作用)するなど、心臓に対する負荷を軽減する作用があります。したがって、何らかの要因で心臓に負荷がかかったときや、血液を押し出す力が必要になったとき、心臓は自らANPやBNPを分泌して負荷を和らげようとします。

ANPやBNPの健常人の血中濃度は極めて低値ですが、急性および慢性心不全患者では重症度に比例して増加することから、心不全の病態把握に有用です。

特にBNPは、病態に応じて鋭敏に反応するため、心不全の診断または病態把握に広く用いられています。また、症状のない早期心不全でも血中濃度が上昇していることから、最近は心不全のスクリーニング検査としても注目され、人間ドックや検診にも用いられています。

一方、ANPは透析前後で大きく変動することから、慢性腎不全患者における透析終了時体重の設定の指標として用いられています。

ところで、6月に新規保険収載されたNT-proBNPは、BNPと同じくBNP前駆体から分解されて生じるホルモンで、心不全患者で著明に上昇し、診断精度も同等と評価されています。

また、NT-proBNPは血清で測定ができ、採血後の検体での保存安定性も良好なことから、他の生化学項目と同一採血管での測定や追加検査も可能で、患者負担が軽減できると期待されています。


表.ANP、BNPとNT-proBNPの比較表
  ANP BNP NT-proBNP
検体 (アプロチニン入)
EDTA血漿
EDTA血漿 血清/血漿
採血後の安定性 不安定 冷蔵で24時間 室温/冷蔵で24時間
検体の保存 凍結 凍結 冷蔵3日間
合成・分泌される所 主に心房 主に心室
特徴
体液量を反映
透析患者の至適
体重の指標
心不全の重症度を鋭敏に反映
(ANP<BNP<
NT-proBNP)