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ワクチンを接種する際、目安となるウイルス抗体検査はどれですか?

ウイルス抗体価の検査にはCF法、HI法、NT法、EIA法などいろいろな方法があります。

CF法は比較的短期間で低下・消失するため、既往感染の有無やワクチン接種の判定には通常用いません。他の方法に比べて遅れて上昇し、感染後短期間のみ検出されることから、現在感染の診断にペア血清測定が行われます。非特異反応が多いのが欠点です。

HI法はCF法よりも早く上昇し、感度が良く長期間持続します。風疹ウイルスの感染診断に使われ、16倍以下ではワクチン接種が推奨されています。

NT法は感度・特異性ともに高く、ウイルスの型別抗体価の測定も可能ですが、結果が出るまで時間がかかる欠点があり、ワクチン接種の目安にはあまり使われません。

EIA法は感度がよく、グロブリン別の測定ができます。IgMは初期感染の診断に有用です。IgGは長期間検出されることから、既往感染の有無やワクチン接種の基準及び接種後の効果判定に使用されます。

ウイルス抗体検査は、ウイルスに対抗する力、つまり抵抗力がどのくらいあるかを調べます。一定以上の抗体価を持っている場合を抗体陽性といいます。よって、ワクチン接種の際に感度の低い検査法を選択した場合は抗体陰性者が多くなり、ワクチン接種の対象者が増加してしまいます。

各ウイルス抗体価を測定する際には、目的にあった検査法を選択することが重要です。


表.目的別検査法の選択と目安
疾患名 自然感染の診断
(現在感染)
ワクチン接種後の
効果判定
免疫能の有無
(ワクチン接種の目安)
はしか
(麻疹)
HI(ペア測定)
EIA-IgM
HI
NT
NT
PA
EIA-IgG
風疹 HI(ペア測定)
EIA-IgM
HI HI(16倍以下)
みずぼうそう
(水痘帯状ヘルペス)
CF(ペア測定)
EIA-IgM
IAHA IAHA
EIA-IgG
おたふくかぜ
(ムンプス)
CF(ペア測定)
HI(ペア測定)
EIA-IgM
NT
EIA-IgG
NT
EIA-IgG
〔参考〕 中山哲夫:最新 臨床検査のABC、日本医師会、2007