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心筋梗塞のときの血液検査を教えてください。

心筋梗塞は、心臓に栄養や酸素を送っている冠動脈の血流量が下がり、心筋が虚血状態になり壊死してしまった状態をいいます。

心筋梗塞の鑑別には心電図が有用ですが、梗塞の範囲や部位によってはわずかな変化しか現れないために異常をきたさない例があります。また、心電図の異常は長く残るため、再発の場合、今起こった病変か過去の病変かの判断に困ります。そこで、心筋梗塞などの虚血性心筋障害の診断には、心筋マーカーと呼ばれる血液検査が有用です。

心筋細胞膜が障害されると血液中にCPK、CPK-MB、ミオグロビン、H-FABP、トロポニンTが逸脱します。さらに壊死が起こると筋原線維が分解されてトロポニンT、ミオシン軽鎖Iが逸脱し、これらの血中濃度は高値となります。

心筋マーカーは心筋梗塞発症後の経過時間によってピークが異なるため、心筋梗塞の病期により使い分ける必要があります。

梗塞後数時間の超急性期ではH-FABPやミオグロビン、数時間〜24時間の急性期では心筋トロポニンTやCPK-MB、梗塞後数日〜10日経った場合、心筋トロポニンTや心室筋ミオシン軽鎖Iを使用します。

また、心筋マーカーは梗塞の範囲を推測することができます。たくさん壊れるほど値は高くなり、治療が奏効すれば値は低下します。


表.臨床症状に適した心筋マーカーの選択基準
臨床症状 H-FABP ミオグロビン CPK-MB トロポニンT ミオシン
軽鎖I
心筋梗塞の早期診断  
発症後時間が経過した場合      
骨格筋壊死との鑑別      
再梗塞の診断    
梗塞量、重傷度の把握      
微小梗塞(虚血)を反映する    
再灌流療法の成否判定      

〔参考〕一線診療のための臨床検査.検査と技術 増刊号33(11)、2005