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メチルジゴキシンを「ジゴキシンとして」測定するのはなぜ?

現在、体液中のジゴキシン濃度測定は、免疫学的方法によるもの以外はありません。

抗原抗体反応を基本とするイムノアッセイは、抗体を用いることにより特異性が高められる利点がある反面、構造の近似する物質をも測り込む難点があります。同様にイムノアッセイで測定するホルモンなどとは異なり、ジゴキシンは低分子で、かつ構造的に類似する物質が多く存在するため交差率は高く、特異抗体を得ることは至難といわれています。

また、メチルジゴキシンを直接測定する方法はなく、これをジゴキシン測定キットで測定した場合、交差反応を示します。さらに、メチルジゴキシンは体内で50%以上がジゴキシンに代謝されるため、メチルジゴキシンを投与された患者の血中では、メチルジゴキシンとジゴキシンが混在しています。したがって、メチルジゴキシンの血中濃度は交差反応を利用して、ジゴキシン測定キットで測定し、「ジゴキシン濃度として」報告しています。

測定値は測定キットの交差率により若干異なるため、有効域および中毒域についての確立されたデータはありませんが、ほぼジゴキシンと同じと報告されています。

デスラノシドやラナトシドCについても同様に測定し、「ジゴキシン濃度として」報告していますので、患者さんの臨床症状とあわせて血中濃度のモニタリングとして利用することができます。


図.ジゴキシンと同族体の化学構造式
図.ジゴキシンと同族体の化学構造式