CRCグループTOP > シー・アール・シー > よくある検査のご質問 >
血清鉄が変動する要因について教えてください。

血清鉄には日内変動があり、しばしば採血時間の影響が問題となる項目の一つです。

血清鉄は朝高く、夕方から夜間に低いという日内変動を呈します。その変動幅は大きく、健常者でも1日のうち午前8時と午後8時では約2倍の差が生じることが報告されています。この日内変動は細網内皮系からの鉄遊離にリズムがあるためとされていますが、リズムの個体差が大きく、正午頃に最大値を呈する人もいます。

また、鉄剤を服用している場合、血清鉄濃度は服用後の経過時間によって大きく異なります(図)。血清鉄は鉄剤投与1時間後から上昇し、3〜4時間後にピークに達し、12時間後に投与前値に戻ります。その後、血清鉄が貯蔵鉄へ移行すると、投与前よりも低下することがあります。

血清鉄が前回値に比べて大きく変動している場合、鉄剤や鉄を含むサプリメントを服用していないか、また、何時に採血したのかが重要な影響因子となります。

したがって、日内変動のある検査項目では、できるだけ同一時刻に採血するようにします。一般的に、基準値は早朝空腹時を採血条件としていますので、血清鉄も同様に早朝空腹時、鉄剤を服用する前に採血されることをお勧めします。


図.鉄欠乏性貧血患者の鉄剤服用後の血清鉄値
図.鉄欠乏性貧血患者の鉄剤服用後の血清鉄値

〔参考〕宮尾誠一、他:臨床と研究 61、1984