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小児の基準値で成人と大きく異なる項目は?

小児では、基準範囲の決定に必要な正常小児の血液や尿を集めることが困難なことから、明確な基準値の設定がなく、弊社でも成人の基準値と比較した報告を行っています。そのため、正常であっても成人基準値では「H」「L」マークが付く項目があります。

生化学検査で、小児期の方が成人に比べて高値となる項目には、ALP、LDH、AST、無機リン等があり、その中でも最も顕著な項目がALP(アルカリフォスファターゼ)です。1歳から思春期前期までのALP値は成人のおよそ3〜4倍で、思春期のピークでは4〜6倍にも達します。ALPは骨の新生状態を反映するため、ピーク年齢は次第に若年化し、10〜12歳で1500IU/Lを超えることも珍しくありません。

逆に、小児期の方が成人に比べて低値となる項目には、アミラーゼ、IgA、IgG、総蛋白、クレアチニン等があります。

血球検査では、新生児や小児期における基準値は日あるいは年単位で大きく変動します。幼児期・小児期では、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット値が成人に比べ低値、白血球数は成人に比べて高値を示します。また、内分泌機能も年齢により変動し、その程度は各ホルモンによって異なります。

このように、多くの項目で小児と成人には差があります。


表.小児と成人の検査値が大きく異なる主な項目
検査項目 年齢的変動
ALP 1歳から思春期前期まで高値(3〜4倍)、思春期のピークでは約4〜6倍
LDH 新生児期に高値(約1.8倍)、その後漸減し、思春期以降は成人値
AST(GOT) 新生児期に高値(約1.5倍)、7月頃ピーク(約2倍)、その後漸減し、10歳頃に成人値
無機リン 新生児期に高値(約1.9倍)、漸減して思春期以降に成人値
アミラーゼ 新生児期に低値(約0.15倍)、その後漸増し、5〜10歳頃に成人値
IgA 新生児期に低値(1歳で約0.25倍)、年齢とともに徐々に増加し、15〜18歳でほぼ成人値
IgG 生後3〜4月で最低値(約0.5倍)、その後徐々に増加し、10歳頃に成人値
総蛋白 新生児期は低値、6月までに1g/dL増加し、その後18歳までに約0.8g/dL緩やかに増加
クレアチニン 新生児期は低値(0.2〜0.7mg/dL)、成人になるまで徐々に増加
白血球分類 生後1〜2週まで好中球>リンパ球
乳幼児はリンパ球>好中球
学童期〜成人は好中球>リンパ球
末梢血一般 RBC、Hb、Htは生下時に高値を示すが、2〜3月後に最低となり、その後成人値に近づく
WBCは生下時に著明な増加、1
月で急激に低下、その後徐々に低下し、9〜14歳で成人値

〔参考〕こどもの検査値ノート第2版、2004 医学書院