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質問
活動性梅毒の診断基準を教えてください。

 活動性梅毒は、治療が必要とされる梅毒です。活動性梅毒の診断基準としては下表を満たすものになります。しかし、判断基準を踏まえても判断に迷う場合があります。具体的な対応例が下記になります。
 
1.梅毒一次病変を疑う発疹を認めるが、梅毒TP抗体(−)、RPR(−)
 可能であれば、病変部の滲出液の梅毒トレポネーマPCRを試み、感染機会や梅毒治療歴をよく確認します。また、梅毒の可能性が高いと医師が判断した場合においては、抗体の陽性化を待たずに暫定的に治療を開始してもよいとされています。

・ PCR陽性が確認できた場合は、活動性梅毒の確定例と判断します。 (PCRは保険適用ではなく一般的に実施されていません)

・ PCR陰性もしくは検査が行えなかった場合、治療開始の2〜4週間後に、梅毒トレポネーマ抗体(以下、梅毒TP抗体)とRPRの両方を再検査し、一方もしくは両方が陽性化していた場合は値に関わらず 活動性梅毒と判断します。

・ PCR陰性もしくは検査が行えなかった場合、かつ梅毒TP抗体とRPRの両方が陰性のままであれば疑診にとどまります。

 
2.無症状であるが、梅毒TP抗体(+)・RPR(+)
 感染機会、梅毒治療歴をよく確認します。

・ 感染のリスクが3カ月以内にあり、過去の治療歴がなく、活動性梅毒と医師が判断した場合は潜伏梅毒として治療を開始します。判断が困難である場合、2〜4週間後に再検査を行います。

・ 感染のリスクが3カ月以上ない場合、4週間後に梅毒TP抗体、RPRを再検査します。どちらかが有意に増加していた場合は活動性梅毒と判断し、潜伏梅毒として治療を開始します。どちらも増加が見られない場合においては慎重な経過観察を行いますが、治療歴がない場合は活動性梅毒と判断して治療開始することもあります。

 
 
〈参考〉
 性感染症 診断・治療ガイドライン 2020(梅毒の項 2023.6一部改訂)