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質問
採血量に過不足があった場合の検査値への影響を教えてください。

 採血量の過不足があった場合、検査値に影響を与える項目で代表的なものとして凝固検査があります。採血量が不足している場合、クエン酸ナトリウム過多によりプロトロンビン時間、APTTの延長や、血液希釈によるフィブリノゲンの負誤差が生じます。採血量が過多の場合は逆にプロトロンビン時間、APTTの短縮、フィブリノゲンの正誤差が生じます。
 
 血算用のEDTA-2K添加採血管においては、採血量が少ないと抗凝固剤との混和が不十分になりやすく、また過多の場合は抗凝固剤が不足となり検体が凝固しやすい傾向となります。
 
 生化学採血管では採血量が少ないと溶血を起こしやすく、溶血の影響で総蛋白、カリウム、AST、LDの正誤差を生じます。
 
 採血量が多くても血算や凝固検査では検査値へ影響を及ぼすため、所定量を守って採血する必要があります。
 
 
〈参考〉
 ・臨床検査増刊号 Vol.59 No.11