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質問
DLST:薬剤誘発性リンパ球刺激試験について教えてください。

 DLST(LTT)は、薬剤によるアレルギー反応を疑った時に、原因薬を特定(推定)したり、治療などで使用する薬剤にアレルギー反応を起こしたりする可能性の有無を調べる検査です。
 
 測定原理は、「被疑薬」と「患者の血液に含まれるリンパ球」を培養して、「リンパ球がどのくらい増殖したのか?」免疫応答の強さから、薬剤性かどうかの判断を行う仕組みです。
 
 リンパ球が抗原となる薬剤と接触すると幼若化を起こし、DNA合成が盛んにあることを利用し、培養液に添加する放射性のトリチウム(3H)-チミジン(サイミジン)のリンパ球への取込みを、液体シンチレーションカウンターで測定し、薬剤無添加で培養したリンパ球と比べて幼若化率を判定する。薬物等に感作されていれば、幼若化により3Hの取り込みが増加する。
 
 結果は、cpm値=どのくらいリンパ球が増殖されたのかを表す指標で、高いほど薬剤性の可能性が高くなります(チミジンの放射活性・1分間あたりのカウント数)。Sl値=薬剤を添加した群と無添加のコントロール群との比率より求められます(薬剤を添加した群cpm/コントロール群cpm)。薬剤性の判定基準は、Sl値に100をかけ、180以上を「DLST陽性」と判断します。
 
 結果の解釈は、DLSTが陽性だからといって、「これが原因薬で間違いない」とは言い切れず、逆に「陰性だから原因薬でない」ともいえない。この方法は患者さんの血液(リンパ球)との原因薬剤を試験管内で混ぜ、薬剤に対する反応をみる方法です。偽陽性、偽陰性はかなりあり、判定はあくまで他の検査法の結果や臨床症状と照らし合わせて行うことが必要です。

※当社では、外注先LSI基準=偽陽性180〜199、陽性200以上の表記。
 
〈参考〉
 ・LSIメディエンス「薬剤によるリンパ球幼若化試験(リンパ球分離培養法)」