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質問
FIB-4 indexについて教えてください。

 FIB-4 indexは肝の繊維化を評価するためのスコアリングシステムの1つで、AST・ALT・血小板数・年齢の4項目を組み合わせて計算し、得られた数値で線維化の進展度合いを評価します。(表)
 
 ウイルス性肝炎や脂肪肝、過剰なアルコール摂取などにより肝障害が長期にわたると、損傷した肝組織の治癒過程としてコラーゲンなどの細胞外マトリックスが蓄積し線維化が起こります。線維化が進むと肝繊維症、肝硬変となり最終的には肝がんへと進むことがあります。慢性肝疾患での線維化は可逆的のものなので、早期発見と線維化の進展度合いの評価は重要で、予後に大きく影響します。
 
 肝繊維化を正しく評価するには肝生検が必要ですが、侵襲性の高い検査なので、より侵襲性の低い検査で肝生検の必要性の有無を検討します。そのために使用されるのが肝線維化マーカーで、直接評価する項目としてはヒアルロン酸やW型コラーゲン、Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体(M2BPGi)、オートタキシンなどがあります。これらの項目に比べ、FIB-4 indexの計算に使われる項目は一般的なスクリーニング検査に含まれる項目であるため、簡便で低コストで実施できるメリットがあります。しかし、肝以外にAST・ALT・血小板数の数値に影響を与えるような疾患がある場合には評価に注意する必要があります。
 
 また、高齢者や健常者で非飲酒者・脂肪肝なしの人は肝線維化リスクありと判定される割合が高くなるとの報告もあります。
 
〈参考〉
 ・臨床検査4月増刊号 2021 Vol.65 No.4
 ・臨床検査のガイドライン JSLM2021