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質問
性感染症の原因となるマイコプラズマについておしえてください。

 肺炎の原因となる、マイコプラズマ・ニューモニエ(M.pneumoniae)はよく知られていますが、性感染症を引き起こすマイコプラズマも存在します。尿道や腟に感染し尿道炎や子宮頚管炎などの原因となるマイコプラズマ・ジェニタリウム(M.genitalium : MG)は淋菌やクラミジアに次ぐ第三の原因微生物として、尿道炎や子宮頚管炎の病原性が確立されています。
 
 MG感染症が性感染症とされたのは比較的最近で、自覚症状も強いものから軽微なものまで様々です。また、MGは培養が困難な難培養菌であり、検出には唯一核酸増幅検査が実施されていましたが、保険適用外だったこともあり、あまり知られていませんでした。さらに、薬剤耐性を呈する症例の増加も問題視されており、クラミジアに有効な薬が効かない、治療薬の選択肢が限定されることも課題となっており、本菌を検出するということは、性感染症診療の領域では長年の懸案となっていました。
 
 2022年6月、リアルタイムPCR法による「膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis : TV)およびマイコプラズマ・ジェニタリウム(M.genitalium : MG)同時核酸検出」が保険適用となったことから、日本性感染症学会は、現状で適正と考えられる非淋菌性尿道炎および子宮頚管炎の診断・治療の流れを提言しました(表)。
 
〈参考〉
・日本性感染症学会 保健委員会提言書
・ロシュ・ダイアグノスティックスウェブサイト

 

参考:2022年9月20日提言された「非淋菌性尿道炎および子宮頚管炎の診断・治療の流れ」(日本性感染症学会)より作表