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質問
新型コロナウイルスの変異株とは?

 ウイルスは単独では増殖できず、必ず他の生物の細胞に侵入し、その細胞の機能を利用して増殖します。新型コロナウイルスは、ウイルス表面に突き出たスパイクタンパクがターゲット細胞表面のアンジオテンシン変換酵素2(ACE2受容体)と結合して侵入を開始します。
 
 イギリスで新型コロナウイルス感染症(COVID-19)症例が急速に増加し、その多くの症例でVOC-202012/01変異株が原因と判明しています。スパイクタンパクに関するN501Y遺伝子変異のためACE2受容体との結合が強固で、従来よりも感染性が高く、感染の拡がりやすさは最大1.7倍と推測されています。
 
 また、南アフリカ保健省はCOVID-19患者が急増し、501Y.V2変異株が80〜90%を占めると2020年12月18日に報告しました。501Y.V2変異株も、N501Y遺伝子変異を持ち、感染性増加の可能性が示されています。
 
 国内では、2020年12月25日にイギリスからの帰国者で空港検疫の検査陽性者からVOC-202012/01変異株、28日に南アフリカ共和国からの帰国者から501Y.V2変異株を検出しています。
 
 両変異株は従来株より感染が拡がりやすいと考えられますが、重篤な症状を引き起こす可能性やワクチンの効果への影響はまだ不明です。個人の感染予防策として、従来同様、3密の回避やマスクの着用、手洗いなどが推奨されます。
 
 なお、変異株についても当社で採用している島津製作所のPCR検出試薬および東ソーのTRC検出試薬で従来株と同様に検出可能です。
 
〈参考〉
国立感染症研究所2021年1月2日の報告