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質問
 きれいなホルター心電図をとるには?

回答
 ホルター心電図記録は、筋電図やさまざまなアーチファクトが混入します。アーチファクトとは人工産物(ノイズ)という意味で、体動や電気機器などから混入します。記録後の心電図解析ではアーチファクトの影響は、解析・編集時間を延長化させるだけではなく、著しい場合は判読を誤る危険性もあります。したがって、アーチファクトの混入をできるだけ防ぐことが必要になります。
 
 ホルター心電図で見られるアーチファクトは、基線の動揺、高い周波数成分の雑音、レコーダー自体の誘導コード・コネクターの接触不良など、そして筋電図などがあります。アーチファクトの少ない心電図をとるためには、適切な電極装着がポイントになります。
 
 まず電極装着前にアルコール綿などで皮膚の汚れを落とします。皮膚処理剤などで角質層を剥がしますが、皮膚処理剤は使用後きれいに拭き取るようにしましょう。小児や皮膚の弱い患者には低濃度アルコール処理だけでも可能です。電極装着は記録中はがれ落ちないようにしっかり貼り付けます。高齢者の患者さんは皮膚のしわやたるみなどで電極の装着が不完全となりやすいため、皮膚を少し伸ばしきみに貼り付けます。横隔膜付近や肋間の間に電極を貼ると呼吸性変動が起こりやすくなります。体毛の濃い患者は、電極の固定が難しくアーチファクトも生じやすいので、患者さんの同意を得たうえで電極装着部の体毛を一部切ったり、剃ることもあります。
 
 最後に装着後、記録開始前に画面上の心電図で波形の振幅やアーチファクトなどの混入チェック・確認を行います。
 
  図1.きれいな心電図
   
 
  図2.アーチファクト心電図
   
 
【参考】
・認定心電図技師のための心電図の読み方 日本臨床衛生検査技師会発刊