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血中尿酸値が変動する要因を教えてください。

 尿酸は、非蛋白性窒素化合物の一つであり、核酸の構成成分であるプリン体の最終代謝産物です。血清尿酸の基準範囲は成人男性で3.7〜7.8mg/dL、成人女性で2.6〜5.5mg/dLと報告されています※1血漿中の尿酸の飽和溶解度が7.0mg/dLであることから、日本痛風・核酸代謝学会の診断基準では成人について男女を問わず血清尿酸値が7.0mg/dLを超える場合を高尿酸血症、2mg/dL以下を低尿酸血症としています。これに準じて多くの検査機関では基準範囲の上限を7.0mg/dLに設定しています。

 血液中の尿酸は、3/4が尿中に排泄され、残りの1/4は胆汁成分に混ざって腸管に排泄されます。よって、高尿酸血症は体内における産生亢進(産生過剰型)と腎からの排泄低下(排泄低下型)などに起因します。慢性腎不全や白血病、薬物投与などの続発性高尿酸血症を除外したのち、産生過剰型か排泄低下型か混合型かを鑑別します。
→「高尿酸血症の病型診断の検査を教えてください」参照

 個人の血清尿酸値は短期間では比較的安定していますが、食事によって低下し、朝高く、夜低い日内変動(1〜1.5mg/dLの差)があります。大量飲酒、無酸素運動、絶食、脱水状態の後、数時間〜数日間は高値を示します。採血は早朝空腹時に行い、予想外の高尿酸血症がみられた場合、1週間以上後に再検します。

 また、痛風発作中や発作直後、尿酸降下薬を服用している状態では高尿酸血症患者であっても尿酸値が正常となることがあるため、薬剤中止あるいは発作の2週間以上後に再検します。

※1.JCCLS(日本臨床検査標準協議会)共用基準範囲

表.異常値を呈する主な疾患・病態

高尿酸血症 痛風
白血病、高脂血症、慢性腎不全、糖尿病III型、多血症、溶血性貧血
薬剤性(利尿薬、降圧利尿薬、ピラジナミド、シクロスポリン、アスピリン、 ワーファリン、テオフィリン等)、過激な運動、アルコール摂取
低尿酸血症

キサンチン尿症、PNP欠損症、悪性腫瘍
薬剤性(アロプリノール、プロベネシド等)

【参考】
・臨床検査ガイド2015年改訂版、文光堂
・最新臨床検査項目辞典、医歯薬出版