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血液ガス分析について教えてください。

 血液ガス分析とは、血液中に含まれる酸素(O2)や二酸化炭素(CO2)の量、あるいはpHを測定する検査で通常は動脈血を測定します。

 肺は呼吸によって大気中のO2を取り込み、不要なCO2を排出する換気を行っています(ガス交換)。肺を通過した後の血液(動脈血)はO2を豊富に含むことから、動脈血を採取してO2とCO2の量を調べることにより、肺が正常に機能しているかどうかが分かります。

 また、ヒトの身体は体内にO2を取り込んで有機物を分解し、CO2や有機酸などの酸が生じますが、呼吸や腎臓の排泄機能の働きによって常にpHを7.4前後に保とうとしています(酸塩基平衡)。健常者の場合、血液は弱アルカリ性(pH7.35〜7.45)ですが、さまざまな原因で酸性・アルカリ性に傾くことがあります。血液が酸性側に傾いた病態をアシドーシス、アルカリ側に傾いた病態をアルカローシスといいます。酸塩基平衡は肺と腎の機能バランスでほぼ一定に保たれているため、異常を認めた場合には、肺(呼吸性)と腎(代謝性)のどちらに原因があるかを見極める必要があります。

 よって、血液ガス分析は呼吸(ガス交換)の状態や体内の酸塩基平衡を調べるときに検査します。ガス交換能力の評価では、動脈血酸素分圧(PaO2)や二酸化炭素分圧(PaCO2)、動脈血酸素飽和度(SaO2)が指標となり、酸塩基平衡の評価では動脈血pH、重炭酸イオン(HCO3-)、BE(塩基過剰)などが指標となります。

 血液ガス分析では採血方法や採血後の検体の取扱いなどが測定結果に影響を及ぼすため、検体は慎重に取り扱わなければなりません。採血はできる限り専用採血キットを使用し、採血後は十分に混和します。血液と大気中のガス組成は異なるため、気泡の混入はデータに影響します。採血後も血液中の細胞は代謝を継続し、O2を消費することから細胞の代謝を抑制するために氷水中に検体を保存します。

 しかし、採血シリンジがプラスチック製の場合、透過性があるため、特に冷却保存では大気中のO2、CO2が血液へ入ってしまいます。したがって、血液ガス分析では採血後できるだけ早く測定しなければなりません。測定まで10分以上かかる場合は氷水中で保存し、30分以上は保存しないでください。

  血液ガス分析は当該検査の対象患者の診療を行っている保険医療機関内で実施した場合にのみ算定可能。

【参考】
・日本医師会編「最新臨床検査のABC」
・「臨床検査Q&A」、臨床検査56(11)、2012