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新しい肝線維化マーカーM2BPGiと他の肝線維化マーカーとの違いは?

 肝炎治療において肝線維化の程度を評価することは臨床上有用で、治療方法の選択の重要な指標となります。また肝細胞癌の発生と肝線維化の進展は相関することが知られ、線維化の程度によって将来の発癌率が分かります。

 肝線維化は組織学的に評価するのが最も正確であり、肝生検の線維化ステージ診断(F0〜F4)によって5段階に分けられます。しかし、肝生検は侵襲性が大きく、出血などの重篤な合併症を起こす可能性があります。そのため、肝線維化の評価として血液中のヒアルロン酸、IV型コラーゲン、P-III-P、あるいは複数の検査結果から推定するFIB-4、APRIなどの計算式を用いて行われてきましたが、肝臓以外の要素が影響する可能性があります。

 さらに近年ではFibroscan等の画像によっても肝線維化を評価できるようになりましたが、肥満になると測定できないといった弱点があります。

 M2BPGi(Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体)は肝線維化の進展につれて変化する蛋白質上の糖鎖構造をとらえる新しいマーカーで、蛋白質の量的変化をとらえる従来の肝線維化マーカーと異なり、高感度かつ特異的な血液検査です。

 また、経時的な測定で肝線維化だけでなく、発癌も予測可能となることが報告されています。

表.肝線維化マーカー
検査名 カットオフ値 肝疾患以外で高値となる病態・疾患
健常者 慢性肝炎 肝硬変
M2BPGi
(COI)
(−)
1.00未満
(1+)
1.00〜2.99
(2+)
3.00以上
 
ヒアルロン酸
(ng/mL)
50以下   130以上 食事・運動、加齢
関節リウマチ、強皮症
IV型コラーゲン
(ng/mL)
150以下     糖尿病、糖尿病性腎症、腎不全
甲状腺機能亢進症、間質性肺炎等
P-III-P
(U/mL)
0.3〜0.8     自己免疫性疾患、肺線維症
慢性膵炎、糸球体腎炎、腎不全等

【参考】
・肝胆膵 70巻増刊号、2015
・久野 敦;医学のあゆみ、249(8)、2014