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TARCとアトピー鑑別試験の違いは何ですか?

アトピー性皮膚炎は、「増悪・寛解を繰返す、そう痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義されています。つまり、痒みを伴い慢性的に経過する湿疹で、アレルギー反応が加わって生じると考えられています。

TARCはアトピー性皮膚炎の症状の重症度を測定する血液検査です。TARCとは白血球遊走作用を持つケモカインの一種で、リンパ球の1つであるTh2細胞を病変局所に引き寄せて、IgE産生や好酸球の浸潤・活性化させ、アレルギー反応を亢進させることで、アトピー性皮膚炎の症状を増悪させると考えられています。

血清中のTARC 値は、アトピー性皮膚炎において重症患者ほど高値を示します。また同一患者においては炎症の強さによく一致して上下し、重症化すると上昇し、治療によって軽快すると減少します。このためTARCの測定はアトピー性皮膚炎の病態を客観的に数値化することで重症度の評価に有用で、治療方法・薬の選択や治療の効果判定に用いられます。

血清TARC値450pg/mLを基準値としたアトピー性皮膚炎に対する無病正診率は94.8%、有病正診率は78.5%と報告されています。ただし、水疱性類天疱瘡や菌状息肉症、血管浮腫、薬疹、膠原病などでも高値となりうるため注意します。

一方、アトピー鑑別試験は12種類の吸入性アレルゲンをスクリーニングする特異IgE検査で、アトピー性疾患の診断とアレルゲンの検索を定性的に行う検査です。

TARC;Thymus and activation-regulated chemokineの略

表.血清TARC(pg/mL)値の判定方法
健常者基準値
小児 6カ月〜12カ月 1367未満
1〜2歳 998未満
2歳以上 743未満
成人 450未満
アトピー性皮膚炎の重症度の目安
小児
(2歳以上)
760未満 軽症
760以上 中等症以上
成人 700未満 軽症
700以上 中等症以上

【参考】
・日本皮膚科学会編 「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」