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前回値と大きく乖離する要因には何がありますか? -その1- 血液検査

末梢血液一般検査(血算)は種々の血液疾患、貧血、出血などをはじめ、あらゆる疾患のスクリーニング検査として行われ、白血球数の異常がある場合には白血球分類(血液像)を検査します。

血液検査データは炎症性疾患や薬物療法、化学療法、感染症などの治療や病態によって変化します。一方、採血や検体の取扱いが誤差要因となることがあります。

1.採血管
 血液検査では抗凝固剤としてEDTA-2Kが標準的に使用されています。EDTA-2Naでも血球形態の保存性がよく、使用可能ですが混和不良による凝固が考えられます。ヘパリンを用いた場合、白血球、血小板の凝集が認められ、不正確な結果となります。クエン酸Naは血液形態に変形をきたし、液状のため血球計数が希釈されてしまうことから血液検査として使用するには不適切です。

2.検体不良
 溶血、凝固、凍結検体は測定できません。また採血後、時間経過とともに血球形態は変化するため、一般的に血算は8時間以内、血液像は4時間以内の検査実施が推奨されています。それ以上時間がかかる場合、冷蔵保存します。室温で8時間以上経過した場合、ヘマトクリット値とMCVは上昇、MCHCは低下します。

3.採血の方法
 赤血球数や白血球数、ヘモグロビン濃度は採血部位や体位の影響を受け、耳朶血>静脈血>動脈血、座位>横臥位となるため、時系列データの確認時には注意します。また、ライン採血や輸液中の採血では輸液の混入によって血液が希釈され偽低値を示します。この場合、総蛋白やアルブミン、グルコース、電解質などの生化学データを確認します。

4.採血後の混和
 採血後、採血管内の血液が混和不十分な場合、フィブリンが析出し、凝集によって血球数が偽低値を示します。特に血小板が著しい低値を示します。また、シリンジ採血の際、採血に時間を要した場合、シリンジ内で血球の濃度勾配が生じます。よく撹拌せずに採血管に分注すると血算データに影響を及ぼし、偽高値や偽低値となります。

5.患者の取り違い
 前回値と乖離し、MCVが顕著に変動したりする場合は別人採血が疑われます。この場合、生化学データなどを確認します。

血液検査データが前回値と大きく乖離し、臨床所見や病態と一致しない場合は、再採血を行い、再検査することをお勧めします。


【参考】

・臨床検査 57(11)、2013増刊号
・Medical Technology 42(13)、2014臨時増刊