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葉酸、ビタミンB12を一緒に検査するのはなぜですか?

葉酸、ビタミンB12はともにビタミンB複合体の一つであり、DNA合成に関与する物質の補酵素として生命維持に重要なビタミンです。

葉酸は緑葉野菜、牛肉、酵母、米、大豆、小麦、キノコ等に、ビタミンB12は卵黄、牛乳、カキ等に多く含まれ、通常の食事では欠乏症は起こりにくいと考えられていますが、極端な偏食や妊娠による消費亢進によって低値となるため注意が必要です。

葉酸が欠乏すると最初に血清葉酸の低下が起こり、次いで好中球過分葉、赤血球中葉酸の低下、大赤血球の出現、骨髄像における巨赤芽球出現が順次観察されます。一方、血清葉酸値が正常であってもビタミンB12が欠乏すると葉酸の利用が障害され、骨髄像に巨赤芽球が出現することがあります。巨赤芽球性貧血が葉酸とビタミンB12のいずれの欠乏に基づくか鑑別することは治療法を決定する上で重要です。

したがって、血清葉酸が低値を示す場合は必ず血清ビタミンB12を測定する必要があります。ビタミンB12欠乏症では血清葉酸は増加します。

薬剤による影響では、血清葉酸はメトトレキサート等の葉酸代謝拮抗剤や抗てんかん薬、経口避妊薬の投与、アルコール摂取で低下し、血清ビタミンB12はパラアミノサリチル酸やネオマイシン、プロトンポンプ阻害薬などの投与で吸収不全を起こし低値となる場合があります。また経口総合ビタミン剤や健康サプリメントには葉酸やビタミンB12が含まれるものがあり、異常高値となることがあります。採血前には服薬履歴の問診を行います。

検体を遮光して凍結保存しなかった場合には値が低下し、溶血すると葉酸が高値となるため、検体の取扱いに注意します。

表.血清葉酸、ビタミンB12が異常値となる病態

 

低値

高値

葉酸

巨赤芽球性貧血
偏食による摂取不足、栄養失調
薬剤(メトトレキサート、フェニトイン等)
アルコール常用、妊娠

ビタミン剤摂取時
検体の溶血

ビタミンB12

悪性貧血、胃切除後
内因子欠損、妊娠、寄生虫
薬剤(PAS、ネオマイシン、PPI等)
甲状腺機能低下症、慢性膵炎

ビタミン剤摂取時
慢性骨髄性白血病、真性多血症
肝癌、急性肝炎


【参考】

・最新臨床検査のABC、日本医師会 2007
・最新臨床検査項目辞典 2008