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尿素窒素(BUN)が高値となるのはどんなときですか?

食事で摂取した蛋白や組織蛋白は分解されてアミノ酸となります。アミノ酸の分解産物であるアンモニアは肝臓で代謝されて尿素が生成されます。血中に放出された尿素は腎糸球体で濾過され、一部尿細管で再吸収されて尿中に排泄されます。BUNは血液中の尿素に含まれる窒素量(UN;尿素窒素)を測定しています。

BUNの異常は主に腎からの排泄異常すなわち腎機能を反映しますが、脱水、心不全、食事の蛋白量、消化管出血、肝疾患など腎外性因子にも強く影響を受けます。また、BUNは糸球体濾過率(GFR)が30%前後に低下してはじめて上昇するといわれるため、腎機能検査のスクリーニングとしてはクレアチニンと併せて測定し、BUNが高値の場合にはBUN/Cre比を計算することにより、腎外性因子の影響の程度を推定でき、診断や治療に役立ちます。

BUN/Cre比
    10以上:脱水などの腎外性因子
    10以下:低蛋白食、腎透析後

BUNには生理的変動もみられ、性別では男性に比べて女性は10〜20%低値、年齢では小児は成人に比べて低値を示す傾向があり、加齢、特に60歳以上では高値となります。摂食と代謝更新のため、日中高値夜間低値の日内変動を示します。高蛋白摂取時や激しい運動で上昇します。よって、経過を追って厳密な値の変化を知りたい場合は早朝空腹時に採血します。

表.BUNが異常となる病態・疾患
 
BUN 病態・疾患
高値
腎炎、腎不全、糖尿病性腎症、アミロイドーシス等
高蛋白食、消化管出血、飢餓、発熱、感染症、組織の壊死・崩壊重症消耗性疾患
手術後、甲状腺機能亢進症、脱水、心不全
【薬剤】
副腎皮質ステロイド剤、利尿薬、抗菌薬(アミノグリコシド系、テトラサイクリン系など)、非ステロイド系抗炎症薬、免疫抑制剤、抗悪性腫瘍薬、造影剤など
低値
低蛋白食、妊娠、肝不全、重症の飢餓
輸液過剰、バゾプレシン分泌過剰症候群、中枢性・腎性尿崩症
【薬剤】
成長ホルモン、蛋白同化ホルモン、マンニトール利尿剤

【参考文献】 臨床検査ガイド2011−2012