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深在性真菌症の検査には何がありますか?
深在性真菌症は免疫不全患者に発症する日和見感染症の一つであり、予後不良の感染症です。医療の高度化や高齢化に伴って抗がん剤の投与、骨髄移植や臓器移植における免疫抑制剤の投与、また血管内留置カテーテルなどの使用で深在性真菌症は年々増え続けています。原因となる真菌によってカンジダ症、アスペルギルス症、クリプトコックス症、ムコール症などがあります。診断のgold standardは血液培養であるため、深在性真菌症が疑われる場合には全例血液培養を採取します。しかし全ての症例で陽性になるとは限らず、また培養陽性になるまで日数を要することから、血清補助診断マーカーとして(1→3)β-D-グルカン検査が利用されています。

β-D-グルカンは接合菌を除いた全ての真菌の細胞壁構成成分であり、細菌やリケッチャなど他の微生物にみられない真菌に特徴的な物質です。ヒトを含む動物の体内で合成されることがないので、血液中や髄液中に検出されれば深在性真菌症が強く疑われます。深在性真菌症全体で感度70〜100%、特異度75〜90%と原因菌種の特定はできないもののスクリーニング検査として有用です。また経時的に測定することにより治療効果の判定もできます。

ただし、ムコールなどの接合菌類は細胞壁にβ-D-グルカンを保有しない点、クリプトコックス症では厚い莢膜多糖の影響で上昇しないこと等に留意します。

一方、β-D-グルカンは血液製剤(アルブミン、グロブリン)やグルカン製剤(抗悪性腫瘍剤)の使用、ガーゼの使用、セルロース透析膜を用いた血液透析等で測定値が高値を示すことがあります

また、多発性骨髄腫・高γ-グロブリン血症では非特異的反応を示す可能性があります。溶血検体では高値傾向を示す場合があります。



参考文献
最新臨床検査項目辞典、2008
最新臨床検査のABC、日本医師会編2