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FDPとD-ダイマーが乖離する要因は?
血液凝固反応によってフィブリノゲンからフィブリン塊を形成し血栓が作られると次に血栓を溶解しようとする働きが起こります。この反応を線溶(線維素溶解現象)と呼びます。線溶によって血栓が分解された際に生じる分解産物の総称をFDP(フィブリン・フィブリノゲン分解産物)といいます。

FDPはフィブリノゲン分解産物(1次線溶)とフィブリン分解産物(2次線溶)の両者を反映し、どちらの由来か鑑別することは困難です。血栓(安定化フィブリン)が形成されて、その血栓が溶解するとD-ダイマーが血中に出現します。D-ダイマーはフィブリン分解産物(2次線溶)の最小単位で、FDPの一部がD-ダイマーといえます。

よって、FDPは線溶亢進があるか否かをみるスクリーニング検査で、FDP高値の場合にD-ダイマーを測定して二次線溶が主として亢進しているかどうかを推定します。FDP、D-ダイマーは凝固・線溶両者の活性化の指標となり、同時測定ではほとんどの場合並行して上昇します。

しかし、急性前骨髄球性白血病や腹部大動脈瘤、転移性前立腺癌などを基礎疾患とした線溶亢進型DICでは、フィブリノゲン分解が進行し、FDP著増、D-ダイマー軽度上昇の乖離現象が起きることがあります。

逆に、敗血症を基礎疾患とした線溶抑制型DIC、悪性リンパ腫、子宮頚癌などフィブリン産生のスピードが速く分解が追いつかない場合はFDPとD-ダイマーが等しくなり、逆転する可能性があります。また、リウマトイド因子、γ-グロブリン血症、IgM高値やHAMA(ヒト抗マウス抗体)陽性者などでは測定試薬の非特異的反応による乖離がみられることがあります。採血困難の影響で異常高値となることもあるため、時系列データや患者の病態と一致しない場合には再採血されることをお勧めします。


参考文献
小宮山豊;臨床検査57(11)、2013
朝倉英策;凝固・線溶系分子マーカーと臨床検査、2011