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骨代謝マーカーを用いた治療効果の評価は?
骨粗鬆症治療薬は骨吸収抑制薬、骨形成促進薬、骨質改善薬の3つに分けられます。

ビスホスホネート、SERM、エストロゲン、活性型ビタミンD3等の骨吸収抑制作用のある薬剤は骨代謝マーカーを抑制します。特に骨吸収マーカーは投与後1カ月で有意に低下します。骨形成マーカーでは骨吸収抑制に応じて二次的に低下するため、骨吸収マーカーの変化に3カ月程度遅れて低下が起こります。このため、投与後短期間での薬物治療の効果の評価には骨吸収マーカーが有用で、薬物投与後6カ月を越えた時点での薬効評価ではBAPなどの骨形成マーカー測定が有用となります。

骨形成促進薬のPTH製剤ではP1NPの上昇が有用で、テリパラチド投与後3カ月高値を示し、6カ月以降は低値傾向を示すと報告されています。一方骨吸収マーカーは投与開始後から低値傾向を示すことが報告されているので注意が必要です。

薬物治療効果の評価は治療開始から一定期間後に再測定を行い、治療前の値からの変化によって行います。すなわち、同一のマーカーで測定し、変化率(%)=(後値-前値)/ 前値×100を算出し、その値が個々のマーカーで算出された最小有意変化:MSC(%)を超えるか否かで判定し、超える有意な変化が認められて初めて効果ありと判定できます。ただし、日内変動のあるマーカーでは治療前と同時刻の尿・血液試料で測定する必要があります。

治療開始後の測定時期は骨吸収抑制剤の場合、骨吸収マーカーは3〜6カ月、骨形成マーカーは6カ月程度、PTH製剤の場合、P1NPを4カ月程度の間隔をあけます。

骨質改善薬のビタミンK2では骨マトリックス関連マーカーucOCの低下で評価できます。その他のビタミンD3、カルシトニン等では骨代謝マーカーを用いた評価は困難といわれています。

※SERM:選択的エストロゲン受容体モジュレーター


参考文献
骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2011年版(日本骨粗鬆学会・日本骨代謝学会・骨粗鬆症財団)