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採血後、全血のまま保存する場合の温度は?

採血後、できるだけ速やかに検査することが原則ですが、やむを得ず保存する場合は適切な環境下で保存します。多くの場合血液は血清(血漿)の凍結保存が最も安定していることから、検体採取後、速やかに血清(血漿)分離し、凍結保存します。ただし、やむを得ず保存する場合は通常の生化学検査では常温で保存します。

遠心分離をしないで全血のまま放置された場合、赤血球から漏れ出す内容物によって種々の検査値が影響を受けることが知られています。その代表がカリウム(K)です。Kは赤血球膜に存在する酵素のポンプ作用によって内外の勾配が形成されています(内>外、約20倍)。全血で保存されると酵素の働きが弱くなっていき、徐々にKは赤血球内から外に出てきます。特に低温保存では酵素の働きが止まり、血清(血漿)中のK濃度が著しく上昇します。逆にナトリウム(Na)は低下します。

また、赤血球中に高濃度で存在するK、AST、LDHなどでは遠心分離後血清分離剤入り採血管のまま血清を分取せずに長く冷蔵保存した場合、血球成分が滲み出し血球成分による偽高値となります。よって、これらの項目は保存検体による追加検査はできません。

【採取した検体の取扱い】
(1) 血清:採血後の採血管は室温に静置後、24時間以内に遠心分離を行います。その後、血清は測定まで4〜10℃下で保存します。
(2) 抗凝固剤など添加物入り全血:測定まで4〜10℃下で保存します。



図.分離剤入り採血管で採血、遠心分離後採血管のまま冷蔵保存したときの血清K値の経時変化
(自社検討データ)

〔参考〕
一般社団法人日本衛生検査所協会
「検査前工程の標準化ガイドライン-生化学、血液学、血清学的検査-」