CRCグループTOP > シー・アール・シー > よくある検査のご質問 >
抗リン脂質抗体症候群では何を検査すればいいですか?

抗リン脂質抗体症候群(APS)は抗カルジオリピン抗体や抗β2-グリコプロテインI抗体、ループスアンチコアグラント(LAC)などの抗リン脂質抗体の出現とそれに伴う動静脈の血栓塞栓症や習慣性流死産、血小板減少症などの特徴的な臨床症状を呈する自己免疫性疾患です。APS患者では動脈・静脈を問わず全身の血管に繰り返し血栓が発生し、動脈血栓の中では脳梗塞の頻度が高く、抗リン脂質抗体は脳梗塞のリスクファクターの1つとして知られています。また習慣性流産のうちAPSによるものは全体の10〜20%を占め、最近では妊娠中毒症の原因としても注目されています。

APSの診断基準の中の検査所見として(1)LAC陽性、(2)IgG型またはIgM型カルジオリピン抗体の中等度以上の力価陽性、(3)IgG型またはIgM型抗β2-グリコプロテインI(β2GPI)抗体陽性、のいずれかの抗リン脂質抗体を12週間以上の間隔をあけて2度以上確認することが求められています。

抗カルジオリピン抗体はリン脂質のカルジオリピンに対する抗体とカルジオリピンに結合したβ2GPIに反応する抗体の2種類に分類されます。前者は梅毒やマラリアなどの感染症でみられ(感染症型)、後者はAPSにみられます(自己免疫疾患型)。

臨床所見からAPSが疑われる場合、抗カルジオリピンβ2-グリコプロテインI(抗CL-β2GPI)複合体抗体を測定し陰性のとき、抗カルジオリピンIgG抗体またはLACの測定を行います。ただし、抗カルジオリピン抗体とLACの両者が検出されるわけではないため、両方を測定します。