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アイソザイム検査でアノマリーとは何ですか?

酵素アイソザイム検査では正常パターンとは異なる例外(異常)パターンが認められた場合、アノマリー(anomaly、異常分画像)と呼びます。アノマリーの原因には遺伝的変異や腫瘍産生、免疫グロブリンの結合などがあり、免疫グロブリンの結合(酵素結合性免疫グロブリン)が最も高頻度です。

酵素結合性免疫グロブリンでは酵素に異常があるのではなく、免疫グロブリンと結合して電気易動度が変化し、あたかも酵素異常のように観察されます。また、免疫グロブリンの半減期は酵素より長く、免疫グロブリンの結合で代謝が遅延し、酵素が血中に停滞するため酵素活性値は見かけの高値を示します。免疫グロブリンとの結合部位が酵素の活性部分であるときは逆に低値を示すことがあります。

酵素結合性免疫グロブリンの臨床的意義は不詳です。特定の疾患との因果関係はなく、関節リウマチなどの膠原病や肝疾患、肺・腎・心疾患、高血圧、糖尿病など多くの病態で検出されます。健常者でも認められ、加齢とともに増加傾向を示します。特にALP結合例とCPK結合例で顕著です。結合する免疫グロブリンはIgG、IgA、IgMがあり、酵素に対する自己抗体と考えられています。

ALP結合性免疫グロブリンはALP6型とも呼ばれ、出現頻度は0.1〜0.2%、潰瘍性大腸炎の10〜20%に認められます。IgG結合型が大半です。LDH結合性免疫グロブリンの出現頻度は0.3〜0.4%、健常者ではIgA、自己免疫性疾患ではIgGとの結合型が多く報告されています。

アミラーゼやCPKではマクロアミラーゼ、マクロCKと呼ばれています。マクロとは分子量が大きいという意味です。マクロアミラーゼは出現頻度0.1〜0.2%、持続性高アミラーゼ血症の約20%に検出されます。IgA結合型が80%以上を占めます。マクロCKの出現頻度は0.4〜0.5%、IgG、IgA結合型が多く報告されています。一方、免疫グロブリン結合性の他、ミトコンドリア由来の高分子CKがあり、ミトコンドリアCKといいます。悪性腫瘍で出現する頻度が高いといわれています。

疾患、病態に関わりのない酵素活性の高値などの異常を呈した場合、アノマリーを疑いアイソザイム検査を行います。



〔参考〕
酵素・アイソザイム検査−測定とその臨床的意義− 臨床病理レビュー特集116号、2001
臨床検査項目辞典、医歯薬出版、2008