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FC管とは何ですか?血糖用採血管との違いを教えてください。

赤血球内には解糖系酵素が存在するため、全血を放置した場合、グルコース値は低下します。このため、採血後は30分以内に測定もしくは血清分離する必要があります。採血後のグルコース値の低下を防ぐため、血糖用採血管(血糖容器)には抗凝固剤の他に、解糖阻止剤としてフッ化ナトリウム(NaF)が添加されています。NaFは解糖系酵素のエノラーゼを阻害し、採血管内でのグルコース値の低下を防止します。

一方、FC管は抗凝固剤、NaFに加えてクエン酸とクエン酸ナトリウムが添加された採血管で、血液のpHを下げ、赤血球の解糖速度を低下させ、グルコース値の低下を防止します。

赤血球中にはインスリン代謝酵素が存在するため、溶血によってインスリン値は低下します。FC管ではpHが低く保たれ、酵素のインスリン分解作用を失活させることから、溶血が生じてもインスリン値を減少することなく測定できます。そこで、血糖とインスリンを同時に測定する場合にFC管を使用します。

また、EDTA依存性偽性血小板減少症が疑われる場合、FC管は市販の採血管の中で凝集抑制率が高いと報告されていることから、血液検査用採血管(血球容器)と同時採血し、血小板数を比較するときにも使用します。

ただし、FC管の場合、試薬特性上十分に混和しないと溶血が発生することがあるため、採血直後に10回以上転倒混和します。溶血の発生により、ヘモグロビンA1c値は血糖容器や血球容器に比べて0.2〜0.3%低値となるため注意が必要です。

グリコアルブミンや1、5-AGは血清、血漿いずれでも測定可能ですが、溶血による低下など血清と血漿で測定値に差異を生じることがあるため、通常は血清を使用します。

表.糖尿病関連項目と採血管
採血管 生化学汎用容器 血糖容器 FC管 血球容器
検体 血清 血漿 血漿 血漿
添加剤  抗凝固剤 EDTA-2Na EDTA-2Na EDTA-2K
 解糖阻止剤 NaF NaF
 pH調整剤 クエン酸、クエン酸Na
検査項目  血糖 ○※1 ×
 インスリン ○※2
 HbA1c × ○※2
 1,5AG
 GA ○※2 ○※3
 Cペプチド
◎:指定・推奨する容器、○:検査可能であるが検体量不足や測定値への影響に注意する
※1.速やかに遠心  ※2.低値となる  ※3.溶血で低値